看板の関連情報
看板(かんばん)とは、宣伝、広告等のために使われる、木、プラスチック、金属(ステンレスなど)等、ある程度耐久性のあるものを材質とした、通常は板状の物体。近年では低コスト・高耐久性のあるアルミ複合板が広く使用されている。
主に屋外に使用されるものを指すことが多いが、広義では室名札やディスプレイ用のパネルなど屋内で使用されるものも看板と見なす。英語ではsign(サイン)と言い表され、「標識」「目印」といった意味合いを持つことから、宣伝、広告の意味以外にも、見るものに対し、何らかの情報を伝えるための表示物と捉える場合もある。
※テキストはWikipedia より引用しています。
「あれ~、この辺りだと思うんだけどな」助手席の友人が不安な声を上げる。通行の邪魔にならない所に車を寄せて、彼女のスマートフォンをのぞき込む。GPSの点滅が、目指す場所は確かにこの付近であることを告げている。しかし回りを見回してみても、それらしい建物も看板も見当たらない。休日の朝食を兼ねた昼食のために、コーヒー一杯で済ませてきたのだ。このまま引き下がるわけにはいかない。
彼女が久しぶりに連絡してきたのは数日前のことだった。会社の同僚が人づてに聞いて出かけたレストランが、めちゃめちゃ美味しかったのだという。場所が分かりにくいのが難だけど、1度は足を運ぶ価値があると力説していたというのだ。最近は1日数客しか引き受けない店舗もあるから、そのたぐいの店なのかと訝って聞いてみたと言う。美味しいかもしれないけれど、値段も目が飛び出る位高いのでは?と。そんなことはないけれど素材を厳選しているので、普通よりは高いかも…これが同僚の答えだったらしい。
その時、ソムリエエプロン姿の女性が1軒の家から出てきた。家の玄関の脇にワインショップのような看板を立てかけていく。もしかして、あそこでは?その家に近づくと、駐車場の案内が出ていた。私たちは、ようやく目的地にたどり着いたらしい。躊躇いながら玄関ドアを開けると先ほどの女性が笑顔で出迎えてくれて、私たちはようやくホッとしたものだ。
私たちが注文したのは「本日のスペシャル」。肉か魚かどちらかのメインディッシュの他に、オムレツが付くと言う。このレストランのこだわりが集約されているのが卵のようで、放し飼いで育てられているニワトリからのものらしい。メニューに書かれているそういう説明を、私たちは興味深く読んでいった。ワクワクが募っていくけれど、看板はもう少し分かりやすく出して欲しいかな。料理を心待ちにしながら、ふとそう思ったのだった。